[POPS] [平井]

マイ・フェバリット・ソング

私にとっての、この1曲

金色の髪の少女/アメリカ

こばやち 1999/08/15
なんかこのタイトルを打っただけでイントロが聞こえてきそうな気がする。
この曲もカーペンターズ同様、あの浦安で聴いたクチである。
もちろん歌詞なんてわからない。
しかしこの日本語タイトル、いいじゃないか。
これだけですべて理解できてしまいそうな、そんなシンプルなタイトル。
そしてアコースティクな演奏をバックに、そのタイトルにピッタリな、
これまたシンプルなメロディ。
当然英詩なんかもわからないけど、
聴いたそのままのメチャクチャな音で、毎日口ずさんでいました。

当時のシングル盤といえば、真ん中に穴のあいたドーナツ盤で¥500。
しかしあの頃の小学生の500円といえば今に換算すると
ゼロひとつ足して5千円ぐらいの価値があったか?
もちろん気楽に買えるモノではない。
ほしいシングル盤がたくさんあったんだけど、どれも買えずに涙を飲んだ。
やがてちょっと自由になるお金が増えてくると
今度はその時のレコードで手いっぱいで、昔のシングル盤まで気が廻らない。
だから当時のシングル盤なんていくらも持っていないのである。

高校を卒業してしばらくたったあたり。
徐々にFMステーションが開局して洋楽関係の番組が増え始めた。
やっと日本もここまで来たか、なんて思ったものである。
バイト先でもFMかけっぱなしにして仕事をすることが多くなってきて、
ある日そのバイト先で図面をひいているとき、思いも掛けずにこの曲が流れてくる。
その瞬間、図面台の前に座ってペンを握ったまま、
小学生時代にタイムスリップしてしまった。
正に心ここにあらず、とった感じ。
もうイントロが聞こえた瞬間に、である。
記憶ってのはスゴイもんだね。忘れているようで忘れていない。
思い出そうと努力しても思い出せないことを、
ほんのちょっとしたことが切っ掛けで思い出してしまう。
アタマでなくカラダで覚えているんだね。
もう染み付いてしまっているよーなもんだ。
そして当時の場面として思い出すってんじゃなくて、
気持ちが昔に帰ってしまう。
あの頃どんなことがあったか、ではなくてどんな気持ちでいたのかが蘇ってくるのだ。
こればっかりはお金で買えるものじゃないからね。
当時どれだけその対象に熱中できたかが勝負の分かれ目だ。

もうそれからレコード・ショップをめぐってこのシングル盤を探し回りました。
10年以上前のシングル盤の上、
当時CDに移行する時期だったのでなかなか見つからなかったけど、
探し当てたときの喜びったらなかった。
10年ぶりに再会した友人のよう。
タイムマシンを¥500で購入したのと同じである。

今は結構いろんな昔のCDも再発されているみたいだけど、
あの当時のヒットソング、しかも一発屋的なシングルなんかもCD化されてんのかなぁ。
欲しい曲がたくさんあるんだけどな。
みんな貧乏がいけないんだ。(ちょっと違うか)


http:// www.youtube.com/ watch?v=rQ3ax8NWNGA