一枚のレコードから
私にとっての、この1枚
December/ジョージ・ウィンストン
こばやち
1999/11/28
夏と冬、どちらが好きかと聞かれれば迷わず冬と答える。
世間一般では夏の評価が断然高いようであるが、
ハワイやヨーロッパならともかく、あのジメジメした日本の夏だぜ。
なんだか年々不快になってくる。トシのせいか?
暑いってのも嫌なんだけど、あの夏のイメージがどうも私にはそぐわない。
陽気で健康的な若者達、夏の日の恋、緑あふれる山々、青い空と青い海。
・・・・・・・、ダメだ、付いていけない。
それよりも冬の冷たく緊張した空気、灰色の空、雪の日の静けさ、
コートの襟を立て背中を丸めて歩く人達・・・・・、これだね。
夏の開放的で情熱的な恋愛ってのもいいんだけど、それより志ん生の
「なんであんなのと一緒になったンだい?」
「だって寒いんだもン。」
コレだよ。コレに惚れたんだ。
ジョージ・ウィンストン、言わずと知れたウインダム・ヒル・レコード。
ピアノ・ソロである。
基本的に唄が好きであるのであまりインストのCDってのは聴かないのであるが、
例外がコイツである。
前記の冬のイメージそのものがここにはある。
またジャケットがいい。
これ見ただけで音が聞こえてくるような、そんないいジャケットである。
彼のレコードはどれもジャケットのセンスがいいね。
もう、寒くなってくると夜はこいつにスコッチのお湯割りが定番だ。
仕事が終わりメシ食ってフロから上がり、間接照明に落としてお湯割り飲みながら
このCDを聴く時の心地よさったらない。
唯一の冬のたのしみである。
そう、冬って酒が旨く飲める季節なのである。
寒くなってくるといつも考えるのだが、
うるさいスキー客のいない、静かな雪の深い山の
ロケーションのいい、しかもメシの旨いロッジに、
このCDとお気に入りの本にグレンフィディックを持って1週間ぐらい篭もっていたい。
毎日炬燵に入って雪を見ながらこいつをBGMにグレンフィディックのお湯割りを飲むのだ。
そして飽きたら本を読む。
今自分の考えうる、最高の贅沢である。
まっ、1週間が限度だろーけどな・・・・。