一枚のレコードから
私にとっての、この1枚
ジュエルズ/クイーン(DVD)
こばやち
2004/06/04
何年ぶりの書き込みだ?前回が'99?5年前!オリンピックより長い!!
最近暇なんだけどガキがいるとなかなか時間が取れない。
で、LIVEもCDもご無沙汰してしまっている。
唯一トーマス、トイ・ストーリー、チェブラーシカだけは毎日見ていて、
英/古典的、トラディショナルな特撮(?)モノ、米/フルCGアニメ、露/冷戦当時のマペット、
と、思いっきり毛色の違う3作でとてもおもしろいのだが、まぁこれは又の機会に。
で、久方ぶりのクイーンである。
今年はキッス、エアロの来日(エアロはイベント含めて2回)の来日、そしてこのクイーンのベストが
オリコン1位と、いったい今は何年なんだ?
よくわかんないんだけどHMVでDVDやっててつい買ってしまった。
キッス、エアロはLIVE観ているんだけど(実はローラーズも観ている(汗))
クイーンは観てないんだよね。(そしてもう観られない。)
でもコピーバンドにはなぜか縁があってヒコちゃんの友人や、
デザインスクール時代の友人の義兄がそれなりに有名なコピーバンドだったりする。
彼らのLIVEもとてもおもしろいのだが観るたびに
「ああ、本物が観たかったなぁ」
という気持ちを禁じえないのだ。
よく思うんだけど彼らほど有名で、いろいろなバンドに影響を与えているのに、
彼らのようなバンドはひとつも見られないというのはすごいことではないか。
ビートルズのようなバンド、ストーンズのようなバンドはいくらでもいる。
しかしクイーンとなると上記のコピーバンド以外に思いつかない。
で、それはVoのフレディの唯一無比の個性であることは間違いないであろう。
これはどっかで読んだ説(たぶん渋谷)だと思うのだけど、
rockというのは思春期の音楽で、それは自分と世間や社会との違和感であり、
そこからの反発があのビートを求めたのであり、
そのベースにあるのはアメリカに連れてこられた黒人達のブルースであり、もっと遡ればゴスペルである。
この違和感、もしくは黒人の疎外感、
これがフレディにとっては自分はゲイであるという事実であったのではないのだろうか?
そしてたまたま彼には才能があった。それもものすごく巨大な。
コンプレックスを表現として多くの大衆をねじ伏せてしまうほど強力な才能。
このDVDで唄うフレディはとても異様で、はっきり言ってとてもおかしい。
江口寿のトーマス兄弟(知ってる?)そのままで笑わずにはいられない。
初期の頃から異様であるのだが後期になってくるともうだれにも止められない。
普通のセンスからいえば滑稽にしか見えないあのヴィジュアルであの歌唱力、あの迫力。
なんというかすべてが並ではない、すべて桁外れなのである。
もう観る側は唖然として観るしかない。
キッスのハリウッド的どぎつい演出、エアロの典型的トラディショナルR&B、どれもすばらしいのだけど、
この怪物フレディの前には霞んでしまう。
それは楽曲だのテクニックだのという問題ではなくもっと根源的なもの。
それも思春期だの人種だのという、ある意味ありふれたコンプレックスではなく
それ以上に絶望的(当時は)なものであり
だからこそあそこまで強烈なインパクトを持ったのではないのだろうか。
倅が結構好きなんだよな、これ。
トーマスの後にかけても黙って観てる。
ストーリーや楽曲で見ているのではない。
やはりなにかそれ以上のモノがあるとしか思えない。