ライブ・レヴュー
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン/2000.6.24(SAT)幕張メッセ国際展示場
こばやち
2000/06/27
とにかくあらゆる意味でスゴイコンサートだった。
まず、セキュリティ。全員黒人、しかもオレの腿ほどある腕をして、
上はTシャツ下は迷彩服で革のブーツ。ベトコンかおまいらは。
世界ツアーの一環だからそのままの連中が来たのだろうけど、
日本じゃカメラチェックぐらいだぜ。
しかしこのバンドが世界的にどんなバンドなのかを物語る光景である。
カメラやウォークマン持ってた連中、ビビリまくってました。
次に会場、メッセ初めてだったんだけど、どにかくデカイ。
代々木オリンピックプールのアリーナぐらいはありそうなデカさ。
ここでオール・スタンディングだぜ。ヤバくねぇか?
押さえがきかなくなったら死人でるぜ。
バンドがバンドだけにちょっとコワイ。
あの始まる前の独特の期待に満ちた雰囲気が充満して、
とりあえずはオープニング・アクトで日本のバンドが出たんだけど、
それだけですでにアウシュビッツ状態。
しかし幸運なことにこのバンドがあまりに退屈だったので、
時間がたつにつれクール・ダウン。
それでもこの時点でかなり汗をかく。
さてホンチャンだ。
しかしそれこそシャレんなんない雰囲気が充満。
さすがに主催者が出て後ろに下がるようアナウンスする。
なんだかんだそれだけで1時間近くも消費してかなり草臥れる。
たしかに万が一死者でも出そうもんなら
営業停止になりかねないことになるだろうけど、
ちゃんと最初から仕切れよなぁ。
でも天下のスマッシュでこれなんだから
それほど客のテンションが高かったのだろう。
(ガイジンがブーイングしてたけどまったく毛唐ってのは我慢を知らん。)
しかしそれで会場の2/3ぐらい詰めていたのが一番後ろまで下がった。
でも始まっちゃえば途端に暴動と化して同じなんじゃないかな。
さかんに主催者は絶対に前に出るなと懇願しているが。
で、開演して1時間半。いよいよスタートだ。
幸い前に殺到してパニックになるようなことはなかった。
日本人て、いや、若い連中って順応なのね。
と感心したのも束の間、ものすごいモッシュの嵐。
けっこう色んなコンサート経験してるけどこれはスゴかった。
もう1曲目終わるまでに身体傷だらけ。
この場で怪我しない唯一の方法はモッシュに参加することであるが、
情けないことに始まる前の1時間半でかなりの体力を消耗していて、
付いていけないのである。マジで痛烈に年齢を感じてしまった。
そして2曲目が始まると後ろのスクリーンが開き、
ニューアルバム「THE BATTLE OF LosAngeles」
のジャケットが大きくプリントされている。
でもちょっと違うなぁ。なんて書いてあんだろ?とよ〜く見ると
「THE BATTLE OF Tokyo」・・・・・。ヤバイ、と思った瞬間、
正に火に油をそそいだという表現がピッタリするような展開に。
逃げなくては、と後ろに下がろうとするもモッシュに揉まれてめちゃめちゃ。
なんとか後ろの方まで逃げたんだけど、どこに行っても同じ状態。
あのデカいメッセ全体がモッシュの波なのだ。
で、みんな血気盛んといった風情の、
しかもチェ・ゲバラのTシャツなんか着ているよーな連中。
これはコワイよ。
でも不思議とケンカは起こらない。
この辺も世代の違いだね。
純粋に踊って楽しんでいるだけで、
それで他人にイチャモンつけるヤツなどいないのだ。
この辺も妙に感心。
なんだか若い連中のノリに付いていけずに感心ばかりしていて、
ホント老人になってしまったようだぞ。
(他人に無関心って解釈もできるけど・・・・。)
バンドのメッセージがどのくらい彼らに伝わっているかわからないけど、
曲の反応を見る限りではみんなコアなファン。
曲に合わせて絶叫していました。
(騒ぎに来ただけって解釈もできるけど・・・・。)
なんかバンドのこと全然書いてないけど、この客の描写で解るでしょ?
スゴイテンションで最後まで駆け抜けるという感じ。
音の固まりがモロにぶつかってきて、
客もそれに反応してさらに大きな波に増長していく。
このグルーヴ感は日本のバンドじゃ味わえないね。
正味1時間ちょっとのステージだったけど、
あのテンションじゃこの時間が限界かもしんない。
それほどパワーのあるコンサートでした。
あと15年若かったらなぁ・・・・。
情けないけどフジ・ロックなんて絶対行けそうもないな。