ライブ・レヴュー
ジェフ・ベック/99.6.2(WED)東京国際フォーラム・ホールA
こばやち
((再録))
1999/08/17
みなさんはギタリストといえば誰を浮かべますか?
ボクら世代は3大ギタリストのクラプトン、J・ペイジ、
そしてこのジェフ・ベックが来るのですが、
まずギタリストといえば真っ先にベックであります。
かつていわれたギターヒーローという名が一番しっくりくるギタリスト。
ギターを持っているだけでサマになってしまい、
プレイしなくてもそれだけで何かを語ってしまう存在感。
速い、うまい、カッコイイ。ギター少年の永遠の憧れ。
そのベックのほとんど10年ぶりのジャパン・ツアーを観てきました。
とりあえずチケットは発売した瞬間にソールドアウト。
70年代ならいざ知らず、いま99年だぜ。
そんなにポピュラリティのあるヤツだったけ?
すでにプラチナ・チケットと化していて
会場の周辺はものすごいダフ屋の数。
かつてこのホールでスプリングスティーンやディランを観たけど
こんなにたくさんのダフ屋はいなかったぞ。
客層は30後半の元ギター少年オヤジ連中の巣窟になるであろうと踏んでいたら、
けっこう若い連中がいるいる。しかも女の子もかなりいる。
ますますワケわかんない。
ベック・ハンセン(今のトレンド・アーティスト)じゃなくてジェフ・ベックだよ?
そして混乱のままスタートしたのだが、なんなんだこの盛り上がりは。
アリーナいきなり総立ち状態。
オレも思わず「待ってました!」と声を掛けそうになってしまう。
とにかくすでにして伝説上のギタリストだもの。
出てくるだけで盛り上がるわなぁ。
そしてプレイのほうはというと・・・・。
すごいんだこれまた。
単に速いとかうまいってんじゃなくて
こちらのツボを明確に捕らえる音、とでもいうのか。
ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」やったんだけど、
ジョンの声が聞こえたような気がした。
しかし一言で言うならやっぱり「カッコイイ」
ルックスも音も相変わらずシャープ。
クラプトンがレイドバッツクし、J・ペイジがぶくぶく太って
ほとんど現場感覚を失ってしまったのに比べると、
まだまだバリバリである。
往年の曲もまったく古くならない。
もうオヤジ連中大喜び(オレも含む)
ステージ構成は昔ながらに途中ドラム・ソロが入る、
典型的なブリティッシュ・ハードロック(死語)のコンサート。
久しぶりに観たなぁ。
しかしこのドラム・ソロはちょっと退屈だった。
数叩けばいいってもんじゃないのよ、スティーブくん。
コージー・パウエルが生きていればなぁ。
楠堂さんを見習いたまへ。
当初Voが入らないコンサートで退屈しないかと心配であったが、
まったくそんなことはなかった。
アンコールの拍手など最近のコンサートはお約束って感じなのだが、
マジでもっと聴きたいと真剣に拍手してしまう。
若い連中も細かいフレーズに敏感に反応したりして、
オヤジ連中に負けず劣らず盛り上がってました。
よーするにマニアだったのねキミたち。
オヤジのノスタルジーもあったけど、それ以外の音楽ファンや、
バンドやってるマニアックな連中以外にも
充分通用するコンサートでした。
満足、満足。