[POPS] [平井]

マイ・フェバリット・ソング

私にとっての、この1曲

Hotel California/The Eagles

こばやち 2009/05/22
あの頃の最大ヒット・ソングといえば
イーグルスのHotel Californiaかな。
76年だから小6か。
たしか福井が買ってダビングさせてもらったっけ。
内ジャケットに歌詞が印刷されていて、
当然それはアーティストにとってこのアルバムの重要なメッセージだったのだけど、
国内盤には訳詩がなかった。
しかし当時聞いていた唯一の洋楽番組NHK-FMのヤングジョッキーで渋谷陽一が
「カリフォルニア幻想に終わりを告げた曲」といっていたのを覚えている。


ドライブの途中に休息に立ち寄ったホテルにしばらく滞在するが、
宿泊客の能天気な快楽的日常に、ここに居てはダメになると立ち去ろうとする。
あちこちさまよって最後に支配人の
「受け入れるのが運命なんだ。好きなときにチェックアウトはできるが、決してここから立ち去ることは出来ない」
という有名なセリフで歌詞は終わり
ドン・フェルダーとジョー・ウォルシュの長いツインギターに移り
フェイドアウトで終わる。


彼らも初期においては「テイク・イット・イージー」など、
西海岸はいいトコだ(笑)なんていうカントリー色の強いおきらくバンドだったのであるが
ベトナム戦争終焉や、なにも残らなかったヒッピー・ムーブメントを経験し
それらに絶望した彼らのメッセージが受け入れられたが故のヒットソング。
サブカルチャーってのは時代を映す鏡なのだ。

そのころ日本のオレたちは小学校卒業して中学入学ってあたりだな。
分かる訳ねぇよな、そんなモン(笑)。
しかしあの物悲しいメロディと泣きのギターソロは心のどこかに引っかかった。
意味は分からずともこの曲に惹かれ、毎日のようにカセットを回し続けた。
そして何年か経ってこの曲の本当の意味を知るようになり、
改めてこの曲と出会うことができた。


今の音楽業界、CDが売れずにnetのダウンロードが主になってきているけど、
どうしてもこの風潮に馴染めない。
私は音楽は消耗品であるべきではないと思っている。
1枚のアルバムや曲に一生のうちに何度も出会う。
同じ曲でもその時代、状況、年齢で違った面をみせてくれる。
本や映画も同じでそれが醍醐味なのである。

何度か聞いて飽きたら消去する。
それでは見えてこないものが沢山あるのだ。
今はいろんな娯楽があってみんな使い捨てのように消費していくけど、
こんなに金がかからないで長く楽しめるものはないぜ。


http:// www.youtube.com/ watch?v=ehvzbRIWPx0&feature=related