ライブ・レヴュー
ジョー・ストラマー&ザ・メスカレロス/2000.1.18(TUE)赤坂BLITZ
こばやち
(@おうち)
2000/01/30
ニューアルバムが穏やかな、あまり派手さのない音であったので、
あまりパンク、パンクしていないLIVEを予想して行った。
しかし客の求めているものは「パンク」のようで、客層がすごい。
皮ジャン率50%はあったか。しかもみんな若い。
オレらパンク世代はやっぱりみんな落ち着いたファッション。
この世代でトサカ頭だったらちょっとヤバイよなぁ。
たしか「サンディニスタ・ツアー」の時、ちょうどキンクスも初来日していて
金ないのでどっちに行こうか高校の友人と迷って、
キンクスを選んで観られなかった屈辱がある。
(この時のキンクス、私の過去最高のLIVEでした。その点で悔いはない。)
その後も来日した記憶があるのだけれど、(正確にはわからない。)
その頃ちょうどROCK離れしていた時期で行かなかったんだよね。
で、今行くってのもなんかちょっと引っかかるものがあるのだけれど、
ピストルズだって行ったんだ。あちらは再結成でニュアンスが違うのだけど、
とにかくジョーが来るなら行かねばならぬ。
そんな訳で幾分複雑な心境のままブリッツへ。
あまりに客が若くてしかも屈託がなく、素直に楽しみにきている感じで、
なんだかギャップをすごく感じた。
もちろん私も楽しみに行っているのだけど何か違うのだ。
これはまったくのオヤジの思い入れ。
あれから20年以上たっているのに、おれはいったい何を期待しているのだ。
この場で革命でも起こるとでも思っているのか?
バンドはクラッシュ時代より数段うまい。
とくにギターはミックなんかよりもうまいと思う。(実際観ていないので・・・・。)
ジョーはかなり貫禄が付きはじめて単なるデブのおっさん。
しかもニコニコ愛想がいい。全然怒っていない。
当たり前だがなんかなぁ、根拠はないんだが違和感がある。
J・ライドンのようにシニカルになってもいない。(これは状況が違うからな。)
で、バンバン、クラッシュ・ナンバーをやる。
しかも最後に近くなると初期の曲を続けざまに。
これはやはり盛り上がるよな。
で、アンコール、ラストナンバーは
「パンク・クラッシック」と紹介して「ホワイト・ライオット」。
そうか、もはやクラッシックなのだ。
若い連中にすればビートルズやストーンズなんかと変わらないのだ。
こんな当たり前のことにこの時やっと気付いていきなり盛り上がってしまう。
「白い暴動」だゼ、なんたって。
もうこの1曲だけは素直に盛り上がってしまいました。
かつて、アンチ・ロック・スターを掲げていた彼が、
ストーンズと同じ扱いをされているのは古いファンとしては心苦しいが、
見るからに気さくなおっさんで、その点に関しては救われたかな。
あれから20年、当時とシーンはガラリと変わってしまった。
彼の本当の戦いはこれから始まるのであろう。