ライブ・レヴュー
オアシス/2000.3.5(SUN)横浜アリーナ
こばやち
2000/03/15
事前にインターネットから、オープニング・アクトが入るってのと、
福岡でリアムの喉の調子が悪くて何も言わずに(彼らしい・・・・)
前半の早いうちに引っ込んでしまったとの情報を得る。
なんかさっそくやってくれますな。
今日はパーフェク・TVの中継があるからそーはならないであろう。
しかしヤツにそんなコトは通用しない。なんかちょっと楽しみ。
確かにリアムのボーカルを聴きにきた客としては金はらってんだから、
途中で投げられてしまってはたまったもんじゃないけど、
談志の高座に慣れている私はそれさえも楽しめる。
この何が起こるかわかんないところもLIVEの醍醐味である。
ヤツらしくっておもしろいし、めったに経験できることじゃない。
クラブ・チッタで観た時なんかステージで兄弟げんかして、
途中でリアムが引っ込んじゃった時があったぞ。(すぐ出てきたけど。)
一言で言って演出らしい演出もなく、前半ニューアルバムから何曲か、
後半は怒涛のヒット曲連発というオーソドックスな展開で、
自分達が客に何を求められているのかを明確に表現した、
とても正しいコンサートであった。
客もみんな満足して帰ったであろう。
しかしね、あんなもんじゃないんだよねオアシスは。
横浜アリーナの音の悪さ、ツアー当初の緊張、新メンバーとのコンビネーション、
マイナス要素が多くてバンドとしてはあまりまとまりがなかった。
でもそんなことはどーでもいい。
一番の問題はVoのノエルにまったく迫力が感じられなかったことだ。
私にとってのオアシスはリアムのボーカル、これにつきる。
このバンドにイノベーターとしての新しさなんて求めていないし、
はっきり言って高性能なギターバンドでしかない。
じゃあ何が他のバンドと違って、こんなに売れているのかといえば、
リアムの古典的ともいえるロックスター的キャラクター、
しかもこの現代に無理矢理力技で納得させてしまうだけの強力な個性。
こいつである。
他のバンドが古典的ギターバンドの限界を感じてラップやテクノを導入したり、
ビジュアル的演出に金をかけたりしてる中、
「いい曲」ただそれだけを追求しているシンプルさ。
ステージ・アクションもほとんど突っ立って唄っているだけで、
あとは客に睨みをきかせているというスゴイもの。
ビートルズのコピーであると言い切ってしまい、
自分のガキに「レノン」と名づけてしまう。
はっきり言ってバカである。
しかしそれがリアムであり あの強烈なキャラクターで強引に納得させてしまうのだ。
何も考えていないようなその時の気分を最優先させる行動、(誰かに似ているぞ)
けんかっ早くて、酒が好き。それより何より音楽が好き。
こんなやつが歌う唄なんて好きになるしかないでしょう。
そのリアムに元気がなかったんだよね。
あいかわらずだぼだぼしたジャージみたいなの着てかっこよかったんだけど。
ノエルもなんか元気なかったなぁ。
客が「あにき〜っ!!」って野次ってたのがおもしろかったけど。
(ヤザワのコンサートのよーだった。)
まぁワールド・ツアーのオープニングだからね。
話題にはなるけどバンドの性格からしてこの結果はしょうがないか。
これからガンガン、エンジンがかかってくるのでしょう。
ツアーの最後にまた来てくんないかな。