[POPS] [平井]

ライブ・レヴュー

‘99年を総括する/音楽編

こばやち 1999/12/27
先日行く予定であった上々颱風が、もろもろの事情で中止になり、
今年はもうLIVE の予定がないので、さっさと総括しちゃいます。
言わずと知れていると思うが、べつにデーターを当たった訳でなく、
行き当たりばったりの独断と偏見に満ちたBEST 1である。

まずはBEST LIVE 外タレ編
ブライアン・ウイルソン/東京国際フォーラム・Aホール
これはLIVEレポート参照。
まっ、思い入れ100%だけどね。
純粋に盛り上がったと言えばジョン・スペンサー。
過去最高でありました。
ロン・セクスミスもしみじみよかった。
J・ベックもカッコよかったなぁ。
それと今年も行かなかったフジ・ロック。
今年は苗場で宿泊、足代、もろもろ入れると3日で10万行ってしまうって話。
これってワタシのロック・コンサートの定義に反する。

国内編
矢沢永吉/日本武道館 12.11(SAT)
横浜国際、最高だったけど客観的に観てイベントとしてでなくコンサートとしては
今回の武道館の方が充実した演奏を聴かせてくれた。
ここ数年でBESTと言っていだろう。
横浜国際がヒットソング中心であったのに比べ
ニューアルバムが中心の構成であったが、単に盛り上がる曲を並べただけでなく
緩急バランス良く、演出もそれに見合ったものであっという間の2時間であった。
それから又ニューアルバム聴き直しているのだがこれまたハマってしまう。
なんでこれが売れないの?まったく不思議である。
しかし関係ナイけど最近は以前に比べて客の矢沢度が少なくなってきた。
昔は九段下に降りただけで矢沢が溢れていたのだけど、
今は普通の格好したファンが多いようだ。
まぁ相変わらず会場にいけば矢沢だらけであるのだけれど減ってきてるみたい。
なんかちょっと寂しかったりする。
そしてその武道館からすぐにアメリカ・ツアー。
それもフィルモアでやったってんだからすごい。
50にしてバリバリである。もっとガンガンいったれ!!。
他、観ていないけどコンサートではB'zやGLAYが派手に活動していたようだが
彼らのファンって音楽ファンではなくて、
あくまでB'zファン、GLAYファンって気がする。
あんなに売れているのに廻りに聴いてるヤツが1人もいないってのはどーいうわけだ?

BEST ALBUM 洋楽
フラジャイル / ナイン・インチ・ネイルズ
これまたニュー・ディスク・レヴュー参照。歴史的名盤。
他にレイジ、フィオナ・アップルと後半立て続けにすばらしいCDが出る。
なんかいつになくCD買った一年であった。
それだけ充実していた年のような気がする。
しかし仕事で忙しかったりすると聴いてられないんだな。
若い時ほどROCKが必要でなくなったのかもしれない。

邦楽編
冬の十字架/忌野清志郎 Little Screaming Revue
これもレヴュー参照。久しぶりの痛快な清志郎。
来年は30周年記念のLIVEを武道館でやるらしい。楽しみである。
他、前出の矢沢など、ホント、オヤジががんばった1年。
しかし一方20代の才能溢れるミュージシャンが活躍した年でもある。
ドラゴン・アッシュ、椎名林檎、いずれも70年代後半生まれの20代初期。
他、まだブレイクしていないけど中村一義など。
宇多田ヒカルに至ってはあんだけ去年絶賛したのにかかわらず
CD買いませんでした。まったくもぉ・・・・。
でもドラゴン・アッシュはラップ、宇多田ヒカルはR&Bと日本のリスナーも
ホント耳が肥えてきたと思う。
この20代初期の連中、他の分野でもサッカーの中田や小野、
野球の松坂、小説では平野啓一郎(史上最年少芥川賞)など
この年代はタレントの宝庫のようだ。

BEST SONG 洋楽
ディス・ハード・ランド/ブルース・スプリングスティーン
厳密に言えば98年12月発売なんだけど今年はこの曲を一番聴いた。
しかしアウト・テイク集のボックス・セットの中の曲で
新譜って訳じゃないんだよね。
早くNEW ALBUM出してくれ。そしてE・ストリート・バンドで来日だ。
「ルッキング・フォワード」CSN&Y。私的にこーいう曲がいい曲という。
こっちも早く来日してくれ!

BEST SONG 邦楽
ガストロンジャー / エレファント・カシマシ
世の中いろんな表現があるけれどこの曲は「ROCKを選んだ」んじゃなく、
「ROCKに為らざるをえなかった」、そんな必然性を感じる。
やりやがったな宮本っ!!
これじゃぁローゼスやゼップそしてレイジじゃないか、なんて批判を
捻じ伏せるだけの迫力のある、堰を切ったように叫ぶヴォーカル。
デビュー当時のスターリンを思い出した。
シングルCD、2曲で千円ってのはどーかと思うが
このシングルにはそれだけの価値がある。
しかし平井の人間にはススメません。
「人間のクズ」清志郎/みんながやっぱ自分は人間のクズであると思ってればさ、
素晴らしい世界が来ると思うんだよね。− この曲については又書こう。
「I have no reason」矢沢。いつも気付くとこの曲を口ずさんでいた。
「LOVEマシーン」ウワサは聞いているのだが・・・。
このタイトル、どーしたって‘70のディスコ・ヒットを思い出してしまう。
たしか彦ちゃんがシングル持っているはずだ。


ご冥福
リック・タンゴ:ザ・バンド
何年か前に復活コンサートに行って「アイ・シャル・ビー・リリースト」に
涙したのを思い出します。
まぁ歳も歳なんだけどそれだけROCKにも歴史が出来たってことか。

マーク・サンドマン:モーフィン
シャレんなんないよ。まだ30代だろ。
あのシャレの効いたハード・ボイルドな風情、
そして妙にそれに合った曲が好きだった。
来日コンサートで訳のわかんない日本語でウケを取っていたのを思い出します。
好みなんだよね、こーいうヘンな人。
フェバリット・ミュージシャンの1人でした。
また好きなバンドが1つ消えてしまった。

グローバー・ワシントン・Jr
オレらの年代だったら聴いてるはず。
フュージョンはあまり聴かなかったのでそんなに思い入れはないけれど、
全盛期を知っているだけにショックでした。

追記
カーティスメイフィールド
‘70年ソウルの巨人。
コイツをUPしてから知った。
音楽ファンにとってリック・タンゴと共に今年1番の痛恨事であろう。
「私たちの望むものは、生きる苦しみではなく、私たちの望むものは、生きる喜びなのだ」

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個人的に今年は音楽に盛り上がった1年だった。
ミュージシャンもどっかで世紀末ってのが引っかかっているのかね。
気合の入ったCDがたくさんあった。
そして知らない間に日本のミュージック・シーン、
いや、偉そうに言えばリスナーのレベルが上がってきた。
昔はクオリティとセールはまったく結びつかなかったのだが、
確実にいいものが売れているようだ。
へんなモノもまだまだ売れているけど
とにかくいいものが売れるようになったってことは事実である。
来年はもっと日本のミュージック・シーンにも気を配らないとダメだね。
でも昔ながらの洋楽ファンって邦楽に偏見もっててダメなんだよな。
この「洋楽」「邦楽」ってのがすでに古いんだが。