[POPS] [平井]

ライブ・レヴュー

甲斐よしひろ/2000.7.20(THU)東京国際フォーラム・ホールC

こばやち 2000/08/11
甲斐バンドを最初に聴いたのは小学校4年の時。
もろデビュー曲からの付き合いで、
洋楽以外ではこの甲斐バンドとヤザワのみしか知らずに青春期を送ったのだ。
だもんで思い入れは目一杯。
しかしソロになってからはあきらかにトーンダウンしてしまい、
ほとんど思い出したように何年かに1度LIVEに足を運ぶぐらいで、
そんなに積極的に聴いてはいなかった。

で、今回は初の一人きりの弾き語りで、かれのキャリアの総決算のツアーというので、
一万円とかなり値の張るLIVEであったが飛びついてしまった。
かつて「サウンド・ストリート」でDJをやっていて、
(古くはNHK-AM「若いこだま」(何年前だ?)からのコアなファンなのだ。)
その時アコースティック・セッションをやった時があり
それがめちゃめちゃ良かったのだ。
テープ探せばどっかにあると思うのだが繰り返し聴いていた。
そしてラスト・ツアーでの「テレホン・ノイローゼ」、
ちょっとトーキング・ヘッズのデビット・バーンしていたけど、
これがまたお気に入りで、かねてより弾き語りツアーを熱望していたのだ。
そして甲斐のLIVE自体もほんとに何年かぶりで
(アニバーサリーLIVEの「飛翔」はいかなかった)
もう一万だろうが関係なしの即買いであった。

さて東京国際フォーラム・ホールC、Aの方は何度も行っているのだがこちらは初めて。
弾き語りだからAのようなおおきなホールではない方がいいのではあるが、なんか中途半端な広さ。
かつての「パワーステイション」を3階にした感じ。
じっくり聴くにはホールがいいんだけど、
スタンディングで「クアトロ」あたりでやって欲しかった。
3Fの席だったんだけど高くてちょっと怖い。
こりゃ立ち上がって聴けないな。
オープニングから盛り上がって立ち上がったらどーしよう?

で、開演。「ランデブー」だっ!
かっこいい!!ギター1本だけどかなりROCKしてるぞ。
しかしやはりみんな怖いのか座ったまま。でも盛り上がっている。
甲斐は最後の方まで座った客に不満そうであったが、
みんなノッてないんじゃなくてじっくり聴いて楽しんでいたのだ。
それからけっこうなつかしい、しかもメジャーな曲、
けっこうカルトなファンじゃなきゃ知らない曲
(でもみんな知ってるんだよな、そんだけマニアックなファンばかりであった)
取り混ぜてたっぷり聴かせてくれました。
なんか地味に甲斐バンド復活してたみたいで(本人意図的に)、
新曲もやったんだけどかつてのノリじゃないんだな。
タイトルがこれまた「熱いKISSをしようぜ」・・・・・。ちょっとなぁ・・・・。

それ以外全曲唄えました。
はっきり言って私、甲斐バンドの曲は本人より知っていると思う。
大満足である。
でもこれってノスタルジーなのかなぁ。
甲斐に関しては思い入れが大きすぎて客観的に判断できないのだが、
復活してある程度は受け入れられるだろうけど、
今の時代のヒットチャートには出てこれないんじゃないかな。
かつての甲斐バンド時代はみごとに時代にマッチして売れたけど、
今回、今という時代の音としては苦しいんじゃないかと新曲聴いて思いました。
(なんたってあのタイトル・・・・。)
小室と組んでも売れなかったしなぁ。
LIVE自体はすばらしく、
一緒に行った女の子は甲斐バンドなんて知らない世代(23歳)なんだけど
楽しかったと言っていました。
こんな感じでメジャーには返り咲けないけれど、
実力派ベテラン・シンガーとして地味に活動していくような気がする。
とりあえず今後の活動に注目だな。