[2] | 大工調べ/古今亭志ん朝 | 1999/08/09 16:24 | |
志ん朝師匠との最初の出会いはTBSで夜中やっていた「特選落語会」での「大工調べ」でした。 これもやはり16年前ぐらいか。 (今思い出したんだけど、そん時惚れてた女が志ん朝好きだったんだ。 今考えるといったいどーいう女だったんでしょう?) まず、内容よりも棟梁の啖呵に惚れたね。 昔オレらが学生の時分もケンカのときは必ず啖呵きっていたもんだが、 今の連中はどうなんでしょう?あんま聞かないね。 カツなんかこの啖呵だけで自己陶酔してしまうほどで、 実戦よりもこちらに比重がかかっていた。 まずヤツが最初にビシッと啖呵きって、 「先生、どうぞ。」と渡辺にまかせるってのがおもしろかった まぁカッコつけたい年頃なんだよね。今でもそうみたいだけど・・・。 それはともかく志ん朝の江戸弁が心地よかったんだ。 その後やはり「特選落語会」で「火焔太鼓」(オヤジ志ん生の18番)を観て、 決定的に惚れる。 こっちは話術っていうより演出、はなしのおもしろさ、キャラクターのおもしろさで、 このあたりからだんだん落語のおもしろさにハマッてくる。 この2本のビデオは今でも持っていて大切に保管してある。 確かどちらか、'86W杯メキシコ大会、かのブラジルVSフランス戦の後に入っていて ジーコとプラティニがPK外して、その直後にお囃子が流れて志ん朝が出てくるっていう 訳のわかんないテープであった。 ライブで最初に観たのは確か「神奈川県民小ホール」。 横浜まで追っかけてったんだよね。 志ん朝師匠東京でなかなか独演会やんないんだもの。 演目はその「火焔太鼓」と「幾代餅」。 この「幾代餅」がよかったんだ。 吉原の花魁の人情話なんだけど感動しました。 いったいなんで吉原はなくなってしまったんだ? 日本の堕落はここから始まったことだけは確信できる。 スマートでわかりやすくて、粋。 志ん朝の高座は談志と違って安心して観てられるんだよね。 (談志の場合安心できないところが魅力であるのだが。) 一般的にいう落語のおもしろさは志ん朝師匠に教わったと言っていいだろう。 このへんオヤジの志ん生より円生に似ていて、 談志の方が志ん生に似ているところがおもしろい。 よくもわるくも保守的な落語ファンは談志より志ん朝派なんだよね。 落語を始めて聴くって人はまず志ん朝師匠の高座を勧めます。 |
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